一番近くに君が居る


「なんだ、どうした?アイツ居たんじゃねぇの?」

「あ、ちょっ、」


ココは翔を止めようと立ち上がったのだが背丈の高い翔には何の意味も無く、翔は直哉の姿を見つけた瞬間なるほどねぇと納得した。


「女か。美人じゃん」

「そうだよ。ほら、バレないうちに帰ろ!」


そう言うとココは翔の腕を掴んでグイグイと引っ張る。促されるままに格子戸から離れたが、そこで翔は違和感を感じた。


「そうだよって、もしかしておまえ知ってんの?」


翔の言葉にココはギクリとしたようだった。しかしすぐには返事をせず、腕を引いたままある程度体育館から離れ、ココは手を離して翔に向き直る。


「…知ってるよ。同じ中学なの」


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