青い星と青虫と

阿狼はにこっと笑顔で小夜に手をのばした。


「教室にお送りしましょう。
もうすぐ昼休みになってしまいそうですし、お友達とお弁当でも食べててください。」


「ええーーーーっ!」


「市狼からたった今メールがきました。
結界強化に成功してもう教室にもどったのことです。
保健室にも新任の先生がもうすぐもどってきます。

小夜さんの体調は少し気になりますが、食事すればもう大丈夫でしょう。
それとも、私の教室まできて勉強されますか?」



「い、いえ・・・そんなめっそうもない。
そんなことしたら、命がなくなりそうです。」



小夜は自分の教室へもどって、ふだんと変わらずの昼休みと午後からの授業を受けた。

しかし、午後からの授業中も思い描くのは剣を抜いた阿狼の姿ばかり。


放課後になって、小夜は思いがけないところで阿狼の名前をきいた。

2つ隣の2年生の教室の窓からグランドに向かって叫んでいる女生徒がいる。



「相楽阿狼せんぱぁーーーーーーい!かっこいいーーーーー!きゃあーーー!
がんばってくださぁーーーーい。私すぐに降りて行きますよぉーーー!
すてきぃーーーーー!あいしてますぅーーーーーー!すきぃーーーー!」



「なっ・・・・・あの人!」



小夜もグランドに目をやってみると、体育の授業が終わったばかりだったのか3年の男子たちが外の水道で顔を洗っていて、その中にひときわさわやかに手を振っている阿狼の姿が見えた。


叫んでいた先輩はと近くを見まわすと、その人物もいなければ自分のクラスはもちろん同じ階の女子のほとんどがいなくなっている。


まもなくして、1階入り口付近でたくさんの女生徒に囲まれている阿狼を上から眺めてしまうことに・・・・・。
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