青い星と青虫と

阿狼は王宮近辺の監視システムを見ながら5分とたたないうちに白蛇に追いついた。


「予定通りを遥かに飛び越えた接触時間だな。やれやれ・・・」


白蛇の進行方向を防ぎ阿狼は手を広げた。


「頭の上にいる我が妻を返してもらおう。」


白蛇は阿狼の瞳を覗き込むと、人の形へと化身した。



銀の髪に白い肌の青年、赤い瞳が光っている。

「狼から人になった気分はどうだ?」


「それを聞くなら、王様になった気分はどうか?だろ。
自分でも驚くほどの力を持ってしまったな。が正直なところだ。

きっとこのままおまえと戦闘したら、おまえは命を確実に落とすぞ。」



「そうだろうな。だから戦闘はしない!」


「そうか。じゃ、妻を・・・」



「返すわけにはいかない。姫と我が妹を交換する約束になっているからな。
その約束だとて、どうだかわからない状況ではあるがな。

それでも俺は・・・」



「双子の妹が囚われているんだな。
上級魔族のところに行けばいいのか?」



「何をする気だ?」



「もちろん、助け出す。
おまえが私と正式に主従関係を結んでくれれば、妹を助け出す。

ま、さっき王になったばかりだから、おまえにも協力してもらわないとうまくはいかないだろうがね。
さぁ、どうする?」




< 99 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop