everlasting love~幾星霜の果て


「さて、と。風呂にでも入ろうかな」




父さんに付き合ってドラマを観る気にはなれず、風呂に入ろうと腰を上げた。




『……遺跡で、3世紀中ごろのものと思われる大型建物群跡が発見されました』




テレビからそんな声が聞こえてきて、宙に浮いた腰が自然とソファに降りた。

食い入るようにニュースを観る俺の後ろで、母さんが嬉しそうに声を上げる。




「やだ、母さん、また一歩リード!」


「え?」


「ちょっと前に、この遺跡で昔の食べ物が見つかったらしいのよ。そのときに父さんとね、賭けをしたの」


「……賭け?」


「そう。邪馬台国は畿内か九州か……って」




< 310 / 555 >

この作品をシェア

pagetop