everlasting love~幾星霜の果て

再会




カヤ――……

君の演技は見事だったよ。

だけど、時折、演技を忘れたこともあったよな。


俺が抱きしめたとき、キスしようとしたとき。

きっとあのときの君は、“蜂谷 麻友”ではなく“カヤ”に戻っていたんじゃないのか?



蜂谷がカヤであったことは、素直に嬉しいと思う。

けれど、その一方で、カヤを演じていた律は苦しい思いもしてきたわけで。


ついでに言うのなら、“終わり”のときがすぐそこまで迫っていて、たまらなく複雑な心境だ。




「――タスク。次の朔の日は2週間後よ。ヒメミコ様が眠っている場所は……分かるわよね?」




あの遺跡だ。

蜂谷がいる和泉市にある、あの遺跡……。




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