喧嘩屋土門
物盗りの一件
目が覚める頃には、すっかり日も昇っていた。

薄い煎餅布団の中で、男はモゾリ…と身じろぐ。

昨夜は連れが来て花札に興じていた。

有り金全部巻き上げて、尻の毛まで抜いてやるつもりが、鼻血も出なくされてしまったのはこちらの方だ。

身動きすらできなくなってしまったので、不貞寝したのが夜が白み始めた頃の話。

時間はよくわからないが、そろそろ昼くらいだろうか。

そう判断したのは、ぐぅ…と鳴いた腹の虫のせいだった。

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