喧嘩屋土門
「……」

土門の視線が鋭くなる。

「湯女だぁ飯盛女だぁ言やぁ分かり良くねぇが、要するとこ遊女で売女だろうが…」

「なかなかに賢いじゃねぇか」

憤る土門の前で、雲竜は下卑た笑いを浮かべた。

「俺ぁかてぇ事は言わねぇぜ?仕事させる前に、たまにゃあ娘の味見しても構いやしねぇ。この飯屋に通い詰めてる所を見るに…」

雲竜の視線が向日葵に向けられる。

「あの娘に御執心じゃねぇのか?ああいう未通女い(おぼこい)のが好きなら、店に出す前におめぇに抱かせてやるぞ?」

「っ…!」

人前で辱められ、向日葵の瞳に涙が浮かぶ。

「てめぇっ!」

土門が咆哮を上げた!

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