白い翼と…甘い香り

■心の中■


一気に
どこかへ落ちていくような

そんな出会いで
2人は始まった。


ぽっかりと
大きな隙間を空けていた
私の心を埋めるみたいに

近づいて引き寄せられて
ギュッと掴まれて
抜け出せないような

そんな恋…




和也が
隣の部屋を見に来た事も

私がその時
ベランダに居た事も

少しでもズレがあれば
重なることはなかった

そんな偶然だろうと思う。



出会った日の事を
思い出すと

何もかもが
出来すぎているような

でも最初から
全部が決まっていたような

そんな気持ちだった。




だから、その偶然を

簡単に「偶然」だと
呼びたくなかった。



私には、自分の居るべき
場所があるのに

でもそこは
暖かくなくて冷たくて

どこか
暖かい場所へ行きたくて

暖かい何かに

包まれたくて…




だから、惹かれたの?



そう何度も

自分に問いかけてみたりして。


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