白い翼と…甘い香り

のぼせそうになりながら
一緒に入るお風呂も
何度目だろうね。

湯船の中で
「もう熱いよ~」
と言う私を離さずに

「百まで数えるのっ!」とか
「肩までつかれよ」とか

子供扱いするみたいに
世話を焼く。

その代わり
いつもゴシゴシと少し乱暴に
髪の毛を拭いてくれる。


置いたままのハブラシと
お気に入りのコップ

当たり前のように
いつもある私のパジャマ

そんな物に目が止まり
これを置いたままでは
帰れない気がして

どのタイミングで
持ち帰ろうかと悩んでた。


気付けば、和也の部屋には
私の物が増えて

あちこちに
片付けなければならない
物が見付かる。


そういうの、寂しいね…





熱々の肉じゃがを頬張りながら
1日の出来事を話してくれる。


楽しかった事も腹が立った事も
身振り手振りを加えながら
生き生きと話す。


相槌をうちながら聞き
お皿を片付けながらも話は続き
洗い物を片付けながら

「今夜は泊まる?」
と聞いてきた。

「うん、大丈夫」
と答えてから

今夜のうちに
「帰れよっ!!」と

怒鳴られるかも知れないと
少し覚悟を決ながら思っていた



怒鳴って言いたい事を
ぶつけてくれれば

少しだけ
ほんの少しだけ


楽になれる気が

したんだよ。


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