白い翼と…甘い香り
私のウソとか
作った言葉とか
とっくに気持ちなんか
見抜かれていて
だから最後に
本音を
言えって事なの?
大事な物が何か
そんなのは分かってる。
分かってるから
離れようとしたのに…
「ホントに
手放したくない物って何?
言わなくてもいいけど
あるだろ?」
「うん」
「頭に、浮かべてみ?」
和也の
笑った顔が、浮かぶ。
いつもいつも穏やかで
私を包むようにほほ笑む
柔らかい
和也が浮かぶ。
無くしたくない
何よりも大事に想う人。
和也の顔しか
浮かばなかった。
「リカ…?」
「ん?」
「今、頭に浮かんだ
大事な物を
手放さないで
いられるだけ
強くなれよ。
気持ちが強くなって
大事な物さえ無くさねぇなら
1人で空を見上げたって
絶対に笑えんだよ?
そういうの
自分で掴み取るくらい
いい女になって…
帰って来い」