白い翼と…甘い香り

■あと2時間■


1人でタクシーに乗り
空港へ向かった。

少し眠そうにしてる
主人と待ち合わせて
コーヒーを飲める店に入る。

余裕を持って来たから
まだモーニングが食べられた。


主人はいつになくご機嫌で
口数も多く

これから向かう
アメリカでの生活を
楽しみにしてるようだった。

もちろん
自分を試せるような仕事に
ワクワクする気持ちも
あるのだろう。


私にも、アメリカ生活を
満喫できたらいいなと

あまり見た事がないような
笑顔で言った。





私は…



私は、和也の言葉が
耳を離れなくて

その重要な意味を
考えていた。


大事な物は
手放すな…

手放さないだけ
強くなれ…?

大事な物を
見逃すな…

そんな言葉を言った。



和也を手放す事が
大事な物を守る事だと

そう思って
勇気を出したはずなのに

それは
間違ってたのかな?


私の頑張った決断は

勇気じゃなかったの?



これは私の

強さじゃないの…?


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