白い翼と…甘い香り

裸で抱き合って
外は夕方だねって言いながら
ウトウトしてた。

私の身体に絡みつく
和也の腕は

以前と全く変わりなく
安心をくれる。


肌の暖かさを
感じながら眠る時

なんて幸せなんだろうと
いつも思う。



「リカ?、寝るの?」

「うん…、昨日から
あんまり寝てなくて…」

「俺も、ここで寝ていい?」

「うん、ずっと傍にいて」

「いっつも、居るじゃん」

「そう…だね…」


ウトウトとしながら
和也の胸に顔を埋めて

和也の声を
心地よく聞いている。

耳許で囁く声は
つぶやくように


「ねぇ、リカ?
愛してるよ」


確か
そんな事を言った。


「ん…?
もう1回、言ってよ…」


重みのある、愛を背負う言葉
だから誰にも言った事がなくて
誰からも貰った事がない言葉

それを、和也が囁いてた…
耳元で、甘く優しく
聞いた事のないメロディみたい


私、分かったよ。

「愛してる…」は相手を
背負う言葉じゃないんだね。

今なら、分かるんだ…

ただ、すべてを
包み込む言葉

包み込まれてるから
分かるんだね。

私も、愛してる…
もっと、何度も聞きたいよ…


「いいよ、リカにだったら
何度でも言える」

「……」

「あれ、もう寝てんの?
そんでも
愛してるよ…」


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