花火が教えてくれた【企】
…………解らん。
「…別に沙夜の事は何にも想ってないけど……。」
…とりあえず答えるしかないだろ、この場合。
「……ほんと…?」
答えが正解だったのかは解らないが、さくらは急に顔を上げた。
「ほんと。」
「ほんとに、ほんと?」
「ほんとに、ほんとに、ほんとだよ。」
まるで子供みたいに聴いてくるさくらに笑顔で答えると、さくらも少しだけ笑顔を見せた。
「ぜったい?」
「絶対ほんと。」
さくらは俺の言葉にちょっとだけ考えて頷くと、今度はぽふっと抱き着いてきた。
「ぜったいに、ぜったいだからね?」
「……はいはい。」
何が絶対なんだか…と思いつつ返事をしながら、また頭をぽんぽんとしておく。
さくらは俺の返事に満足したのか、機嫌がよくなっていた。
女ってホントに解らん……。
その後、機嫌の直ったさくらは、いつものように寛いで時間になれば笑顔で帰って行った。