幸せ探し





すぐに立ち去ろうとしたけど





隼人が抱きしめてきた



「隼人、ごめんね」



笑って押し返そうとしたけど
私の意志とは反対に
手に力が入らなかった



ただドキドキするだけ





「愛理が分からねぇ

俺たちの近くまで来て
笑ってくれたと思ったら
すぐに冷たい顔して
離れてく


ずっと俺らといろよ
俺らを信じろよ」







嬉しかった
そうやっていってくれて




だけど、今の私にはその言葉が
苦痛でたまらなかった




「私は、友達がなんなのか分からない

信じたと思ったら
裏切られる



隼人はそれを経験したことがないから
そうやって軽々しく口にできるんだよ



それに、私は私自身が許せない
自分を信じてみようなんて
思えない




みんなと私は違うんだよ」






思っていることを吐き出したら
自然と隼人から離れれて
いつもの私に戻れた



隼人の傷ついた顔を見ても
私は笑うことができた







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