LITTLE
 やっぱり博美も、啓太郎と同じで昔と変わらないなぁ。
 今でもいじりがいがある。
「お願いね、博美。今度、何か買ってあげるから。何がいい? 駄菓子屋のお菓子?」
「い、いつまでも子供扱いしないで下さい!」
「ごめん、ごめん。じゃあ、お願いね」
「は、はい」
 恥ずかしそうに頬を染めながら、博美は私の行く逆方向へと歩いて行った。

 小学校からの帰り道、近場のスーパーマーケット付近でマミちゃんを見掛けた。
 買い物帰りだろうか、買い物鞄を持っている。
「マミちゃん」
 自転車を降りて、後ろから呼び掛けた。
「あ、優子のお母さん。こんにちは」
 暑さのせいか、かなり気だるそうだ。
「買い物の帰り?」
「はい」
「買い物鞄、重くない? 途中まででよければ、籠に入れて一緒に帰らない?」
「いいんですか?」
「勿論よ」
 彼女の持っていた買い物鞄を自転車の籠に入れ、二人で並んで歩いた。
「マミちゃんは、学校のプールには行かないの?」
「いえ、私は……あんまり好きじゃないんです。学校のプール……。それに優子は……」
 親友が友人よりも恋人の方へ揺らいでしまう。
 よくある事だ。
 でもきっと、そんな意識は優子にはないんだろうなぁ。
 皆、仲良く楽しく過ごせれば良い。
 そういう考えの典型的な持ち主だから。
「でも、マミちゃんにもいるじゃない? 優子が麗太君を好きっていう想いに、負けないくらいの想いを抱ける相手が」
「綾瀬の事ですか?!」
 マミちゃんは少しだけ焦り気味に、私から目を反らす。
「そうよ。学校では喋る事もない。友達も、先生も、皆が知らない二人だけの時間が、マミちゃんと綾瀬君の間にはあるんでしょ?」
「綾瀬は……日曜日の教会へお祈りに行く時に一緒なだけで……」
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