トイレ

誤算

どれくらいの時間が経っただろうか。

時間の感覚すら薄れゆくさなか、トイレの偉大さ、雄大さ、絶対的必要性、存在意義、その全てが今、僕自身を包み込んでいた。


ゆっくりと、ゆっくりと、かつ確実に扉に近づいている。

僕ならやれる。やればできるんだ!

そして今扉の前に立ち、ゆっくりと扉を開こうとした。

な、なにぃぃぃぃ!?

誰かが入っている!?

僕は頭が真っ白になった。


額から汗が流れ堕ちる。

時間が恐ろしいくらい長く感じる。

ま、マズい!

こ、このままでは、うんこたれになってしまう。

学校へ行っても、うんこたれ‥‥‥‥‥。

のちのち仕事に行っても、うんこたれ‥‥‥‥‥。

どこへ行っても、うんこたれになってしまう‥‥‥‥。


それだけはなんとしても阻止しなければ。

冷静沈着に考えるんだ。

そうだ!

ほかに何か別の事を考えて、気を紛らわす作戦だ!

そう、それは‥‥‥‥‥

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