彼×私×彼女の事情
意外な真実

俊のことを気にしていたのが嘘のようにお義母さんは楽しんでいる。


飲むピッチも速い。
結構大きいボトルだと思っていたがもう一本空きそう。

サキの話術がさらに速めている気がする。


「こんな楽しいお酒久しぶりだわぁ」


「生春巻のスパイシードレッシングすごく美味しいです。初めてです、こんな食べ方するの」

「バジルの香やペッパーが効いてて私も好きです。こんな料理をどこで覚えたんですか?」


サキの質問に少し曇った顔をしたがお義母さんは話しだした。


「結婚する前、国際線のスチュワーデスしてたの。色々な国に行っていろんなもの食べたり、人に教えて貰ったりしている中で自分の好みに合わせていったの」

「カッコいい」

2人して息がそろった。

「何もカッコよくないわぁよ」


怒った?褒められて怒る人っていないはず。


「お義母さん綺麗だからモテたんじゃないですか?」


もぅ一度褒めてみた。


「モテたわよ」

あっさり認めた。清々しい。

「パイロットはもちろん医者に資産家、貴族の人もいたわぁ」


貴族……普段聞かない。貴族の人に交際を申し込まれて困ってるとか友人と会話した事ない。


お義母さんの底知れぬパワーの源は人生経験の豊富さからだと感じだ。


「たくさんの中からお義父さん選んだ理由って何ですか?ストーリー教えて下さい」


サキが聞いた。私も気になってるけど……。お義父さんとケンカ中……だし。


「聞きたい?」


「はい」

私とサキは声を揃えて前屈みでいった。
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