彼×私×彼女の事情
時間がスローモーションになった。


私の目線の先には隣の彼がいた。


幻想?いや、間違いない。


隣の彼だ!



彼だと確信をもった瞬間に話したいと自分の欲求が込み上げてくる。


このチャンスを逃したら私は最高のバカだ。




教授の話しは切れそうにない。


「痛い。さっきぶつかって足を捻ったんです。急に痛みが……。」


私はかがみ右足を押さえる。


「大丈夫かね。」


教授が心配そうに言う。


「ボク、診ましょうか?」


新藤さんが言う言葉に覆うように私は


「いえ。タダ捻っただけなんで冷やせば大丈夫です。冷やしてきます。サキお願い。」


新藤さんが易しく言ってくれたが診察してもらったら嘘がばれてしまう。サキに肩を貸してもらいながら離れることに大成功。



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