彼×私×彼女の事情
大人
ひとりカラオケを満喫し、私は家路を急いだ。さすがにお義母さんをこれ以上独りにさせておくことにも気が引ける。


自分の玄関の鍵を開ける前に3度大きく深呼吸。そうでもして落ち着かないと今日あった出来事をさとられそうだ。何かあったのかと詮索されたら簡単にボロが出てしまう。


気持ちを落ち着かせて大きな声で「ただいま」と言って入った。


……。


返事がない。


あれ?誰もいない?


一応、倒れたりされていたら困るので寝室やお風呂場を探したがお義母さんはいない。


どこ行ったのかな?


コンビニかな?


帰ってくれていたら……そんなこと思っちゃだめだめ。


ダメな想像をしてしまった。これに関しては反省しないと。心の声から削除しないと。


私は頭の中を切り替えてお義母さんにメールをしてみたが返信がない。鈴ちゃんにもメールをしたが帰っては来ていないと返信があった。



もぉ~どうしよう。


取り敢えず電話してみよう。


「もしもし」


お義母さんがすぐ出てくれた。


しかし電話からもれる周囲の音がうるさすぎて聞き取りにくい。どこにいるんだろう?


「お義母さん、今どこですか?」


「あぁ~ちょうど良かった。私の鞄を開けて白い財布があるのそれを今から言う場所に持ってきてくれない?」


んー周りの音がうるさい。耳が痛い。



私は状況が解らない。仕方がないので遠くに聞こえるお義母さんの声を必死に聞き言う通りにした。


場所は繁華街。


しかも高級クラブが並ぶ大人の社交場。


なんか恐いが取り敢えず行こう。



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