Love Difference 〜the long ago and the now〜

｢武士の息子？ひょっとしてこの一帯を治めていた花岡様の御子息かい？｣

｢ですが……。｣

｢そうか。それなら娘に聞いた方が良いかもしれん。｣

ついて来なさい、と言って男性は歩き始めた。てくてくと雷青も続く。

｢娘さんの名前は？｣

｢名前？香(かおる)だ。｣

｢香っ？？！｣

この香が平成の世の鬼本薫･宮字千賀也の先祖だとは、誰も知らなかった。

｢此処が家だ。さ、上がって。香〜、今帰ったぞ！｣

｢おとっつぁん。今、湯沸かすから、お茶淹れるね。で…。｣

香の目は雷青に釘付けになった。男性は慌てて説明した。

｢この人は雷青さんと言って、花岡志乃丸様を訳有って探しているんだ。香、雷青さんに分かる事を教えてあげなさい。｣

事情が分かった香は、取り敢えずお辞儀した。