Love Difference 〜the long ago and the now〜
「初めまして雷青さん。私、香といいます。…で、志乃丸さんのコトですけど…。」

香の話は雷青によって遮られた。

「今居る場所を教えて頂けませんか?」

「ああ、それなら……。豊岡にある[十字路]っていう長屋ね。確かあそこに花岡志乃丸さんと直一郎さんは住んでるよ。…で、……何で雷青さんは志乃丸さん達を探してるの?」

雷青は自分の生い立ちを語った。

「ええっ??雷青さんって幕府仕えなんですかぁっ?すみませんっ、言葉遣い悪くて…。」

雷青は穏やかに笑って言った。

「良いですよ、もう働いて無いし。仕事と言うか、義理の兄上みたいな感じだったから。[契約は無かった事にしよう。]って志乃兄殿も言ってた。」

「そう…。じゃ、せめてもの償い。」

そう言って香は外を示した。外は真っ暗だった。
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