黒い羽根
視界に映る風景の中で、マリアさんが僕を高く抱き上げて笑う。
『かあ……さ……』
思わず呼びかけようとした瞬間。
胸で大きく何かが弾けて。
――ビクン。
全身が大きく跳ねる感覚とともに、その風景はパッと消えてしまった。
突然、色を取り戻し、開けた視界。
眩しくて思わず目を擦る。
『あ……手が……』
無意識のうちにとった動作に、先ほどまで自由がきかなかった身体がもう動けることに気が付いた。
一体今自分はどうなっているのだろうとゆっくり首を巡らす。