終焉の夜明け

集会(ナガシ)




パッ、と手を放されたから
ゆっくり振り返れば、


そこにいたのは茶髪の男。


ピアスをたくさんつけて
ド ヤンキーな姿。



キーを指先でくるくる回して
ニヒッと笑う。



彼の傍らには、

改造しまくりの
三段シートつき単車――。



「……純ッ、ジョーダンやめてよ!」



ドカッと彼の胸を殴れば
“わりー、わりー”って軽く笑う。



「ウザー……。

てか、アンタいつのまにリューん家出たの」


シラーッとした目で睨んでやる。


「さっき!
乃衣、ひとりで帰るんだもん。

危ないから送るッ」



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