『若恋』榊の恋【完】




―――雪が



「ひかるちゃん、ほら雪が舞ってきましたよ」



何色にも染まらない白い雪がフワリフワリと舞い落ちる。



「ほら、顔を上げて」


顔をあげないと返事を聞かせてもらえない。



「ひかるちゃん」

「…榊さん、わたしね」

「ん?」

「榊さんが好きです」





わかってますよ。

ひかるちゃんの愛情が深いのはこの身で受けて知ってます。



「榊さんが好きです」





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