『若恋』榊の恋【完】
カメラを編集して今までの被害者の映像もあるんだろう。
ひかるちゃんが滅茶苦茶にされる前にギリギリで間に合ったことで安堵した。
負けない。
負けられない。
こんなふざけた男にひかるちゃんを渡したりしない。
力を入れて小刀を握る。
痛みで顔をしかめていた若佐の喉元に一気に突っ込んだ。
「ぐ」
息を止め突き付けられた刃に動きがピタリと止まった。
「その手を放してください」
告げると、持っていたスタンガンが若佐の手から滑り落ちた。
ガララ
床に転がり、それを足で蹴り若佐の手の届かないようにした。
「勝負ありましたね」
「…負けたわけじゃない」
肩を捻上げられても若佐は負けを認めなかった。
ギシギシと骨が軋んでも声を上げない。
「これでも負けを認めませんか」
捻り上げた腕に力を入れたら小気味いい音がして肩の骨が折れた。