『若恋』榊の恋【完】
――――――――
――――――
――――


「毅、若佐の自宅にひとり張り付けろ」


ひかるちゃんが若佐に狙われたことを若と仁にはすぐに話した。

もちろん、ひかるちゃんの耳にはいれないようにしてある。


「毅、後は頼みます」

「3日以内にその男がこの街を出る様子がなかったら連絡寄越せ」

「わかりました」



若が苦い顔をして毅が若衆と出て行くのを見送る。


「ひかるは薬で眠らされたことには気づいてはいないんだな?」

「担任若佐がそういうことをするとは思ってもいないようですよ」

「ならいいけどな」



仁も妹が傷つけられなかったことでホッとしたようだった。



「3日経ってもこのまま街にいるようだったら、榊に始末は任せる」

「わかりました」


流石にこの街を堂々と歩くことはないだろう。




< 185 / 440 >

この作品をシェア

pagetop