『若恋』榊の恋【完】




ガキン


血で滑った太刀を握り直して一瞬だけ隙ができた。



「榊、最期だな」

「!」



血で滑る太刀は若佐の劔で弾き飛ばされて天井のシャンデリアの脇に突き刺さった。




負ける!




若佐がスローモーションで劔を振り上げた。




パキン





小さな音。






―――小さな音。







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