あなたはケイサツカン様☆
どれくらい経ったか分からない。
空は少しずつ暗くなってきて。
もうお客さんは誰もいないみたいで。
閉園の音楽が流れている。
それでも龍平さんはあたしを抱きしめたまま、話を始めた。
「俺は、大事な人を死なせてしまったんだ」
知ってる、とは言わずに黙って龍平さんの声に耳を傾ける。
「その人は、俺の憧れていた人で。大事な先輩の奥さんだった」
「え?」
「初恋だったんだ」
メニュー