吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「そ、そうなの」
イオタは動揺しながら劇場内を改めて見回す。
「信じられないかい?」
「そんなことないけど……」
と言いながらシータの記憶と、この劇場がどのように結びついて自分がここにいるのか、イオタにはさっぱりわからなかった。
脳内に赤い本を浮かべたが、ページが素早く捲れてあっという間に閉じてしまった。
自分の知識ではまだまだ解明できないことが存在するらしい。