吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)


自分の着ている服のサイズに余裕が感じられ、半ズボンからスラックスにはきかえられていた。


幸福はそれくらい。


手足をジタバタしたり、体を捻ったりしたが、ベッドから離れることは許されなかった。


イオタは何処かで見た光景だと感じた。


一生このままなのかという不安が押し寄せてくると、きっと誰かが助けに来てくれるという希望に変えた。


追い込まれてネガティブな気分に支配されつつあるとき、ポジティブな気持ちを見つけることが閉塞感から脱却できる。

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