吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「この状況を見れば君が嘘ついていることは一目瞭然さ」
イオタが片足の爪先でクルリと回転して、舞台をよく見ろと挑発する。
「舞台にぼくが嘘をついた証拠でもあるの?」
イオタの仕種が馬鹿にしているように映り、シータの語気が強くなる。
「ぼくの舞台であの女が注射器を持ちながら登場してないでしょ」
イオタは両手を大きく広げながら首を左右に振り、誰もいないことをアピールする。
「それは……」