吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)


まず椅子と一体化していたシータのロープを解き、壁にかかっているブラケットランプをカタカタと小刻みに震えさせ、天井のシャンデリアを振り子のように大きく左右に揺らした。


劇場内の装飾品を使い、脅えさせてから床の上下運動を開始する。


「これって……」


劇場内を見回す女とシータは足元をフラフラさせながら、なんとかバランスを取る。


自ら引き起こした地震を予知していたイオタは椅子にしがみ付ついていた。


「ダンスを見せてよ」


イオタはさらに激しく劇場の上下運動を繰り返すようにイメージして、女とシータを立てない状態にする。

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