吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「ぼくには本気でとどめを刺すように見えました」
二人の会話が頭の上で飛び交い、勝負を預からせてもらう、という行動がぴったりのことをしたシータの思惑が不透明で、イオタは声をかけることもできない。
「あら、わかっちゃった」
女がシータの腕から大鎌を引っこ抜くと、ピシャとシータの腕から血が吹き出す。
「でも、止めに入ることも待ってたんでしょ?」
シータは自分の手で出血を抑えながら尋ねる。
「さぁ、どうかしら」
女は曖昧な答え方をして答えを濁す。