吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「あなた達の能力は珍しいタイプだと思うわ」
女の言葉には引っ掛かる点がある。
“あなた達”という部分を強調しているような気がしてならない。
女も同じ能力を持っているはずで、どうして“私達”と言わずに自分を外す言い方をしたのか、イオタにはある答えが浮かんだが、いまは認めたくないという気持ちが強く、自分から口にするのはためらった。
「ぼくらはどこから生まれてきたの?」
イオタは違う角度から質問してみる。
もしかしたら、女の方から言ってくれるんじゃないか、という可能性にかけてみた。