吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
モーター音が大きくなると、ガラスのない側面窓の木枠が壁ごとカタカタ揺れた。
迷彩色のヘリコプターが地上一〇メートルの高さでホバリングし、垂れ下げたロープを伝ってアサルトスーツにサブマシンガンを構えた黒衣部隊が次々下りてくる。
全部で三機のヘリコプターから二十四人が降りてきた。
予想よりも若干少ないが、隊列を乱さず迅速に屋敷を取り囲む姿を見てしまうと、イオタは本当に成功するだろうか?と不安になった。
臆病風に吹かれそうな自分に喝をいれるため、拳で太腿を叩く。
先頭の隊員が指で示すと、後方の隊員が前進して侵入を試みる。