吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
ゾロゾロ屋敷内に入ってくる黒衣部隊はテーブルの下を確認したり、部屋に仕掛けがないかサブマシンガンの銃口で壁を突いて調べている。
一人の隊員が肖像画に訝しげな視線を向けた。
目が合ったわけではないが、瞬きすると気づかれてしまう恐れがあるのではないかと思ったイオタは目を見開いた状態で息を止める。
隊員がサブマシンガンを構えながら、ゆっくり肖像画に近づいてきた。
銃口で肖像画を押しはじめ、違和感を探るとボコッと凹み、奥に空洞があることを知られてしまった。
やっぱり信用するんじゃなかったと、後悔よりも自分の浅はかさに嫌気がさす。