吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「皆大根役者だね」
イオタは声を張り上げて皆を振り向かせた。
黒衣部隊の隊員が観客席にいるイオタに向かってサブマシンガンを反射的に構える。
「時間がないから早く死んでね」
イオタの発言のあと、「あっ!」と一人の隊員が声を上げた。車の下敷きになっていた若い隊員で、見覚えがある、とでも言いたげだ。
パチンと指を鳴らしたイオタには緩やかな曲緯を描き、グリップエンドにガラス細工のスカルがはめ込まれた大鎌が握られた。
迅速に首を斬れる凶器、できるなら刃物がベスト……で、真っ先に浮かんだのは一度目にした大鎌。