吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
服装は就職面接用の地味な紺色のスーツのままで、陰になってよく見えないのだが、左手に複数の針の付いた凶器?みたいなものを持っている。
「起きなさい。寝たふりしても無駄よ」
女はベッドの脇に立って布団を揺すった。
しばらく布団を睨んでいたが、我慢できなくなったのか、布団を勢いよく捲る。
ベッドの上で白と青のストライプ模様のパジャマを着た男の子が、胎児のように体を丸めながら震えていた。
「献血の時間よ」
女の声は氷のように冷たい印象を受けた。