吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「もちろん」
イオタは一つ返事で頷く。
「うれしいよ、イオタ君」
シータの目の端が光った。汗じゃなく涙だとすると、シータは感激屋さんなのかもしれない。
「ぼくらはもう友達じゃないか」
イオタは“友達”というキーワードを持ち出すのを早まったかもしれないと、言ったあとで自分の舌を引っこ抜きたい気持ちになる。
「友達……か」視線を逸らし、シータが深刻に考える様子を見て、イオタは自分の軽はずみな発言を反省した。