蝉時雨
京介は庭先を見つめながら、
私の話をただ黙って聞いてくれた。
そんな京介のよこで
ぽつり、ぽつりと言葉を続ける。
「でも私、
ちゃんと涼ちゃんに
好きだって言えなかった」
困らせたくないなんて言いながら、
結局涼ちゃんを困らせて
そのくせ自分の気持ちは伝えられない。
「まあ、
もう告白してるみたいなもんだよね」
自分のむちゃくちゃな行動に
我ながら呆れて小さく笑う。
そして、
黙ったままの京介と同じように
庭先に視線を向けた。