蝉時雨



京介は庭先を見つめながら、
私の話をただ黙って聞いてくれた。


そんな京介のよこで
ぽつり、ぽつりと言葉を続ける。







「でも私、
ちゃんと涼ちゃんに
好きだって言えなかった」





困らせたくないなんて言いながら、
結局涼ちゃんを困らせて

そのくせ自分の気持ちは伝えられない。





「まあ、
もう告白してるみたいなもんだよね」

自分のむちゃくちゃな行動に
我ながら呆れて小さく笑う。




そして、
黙ったままの京介と同じように
庭先に視線を向けた。






< 204 / 225 >

この作品をシェア

pagetop