蝉時雨
「いつも今日みたいに
早起きしてくれると
すごく助かるんだけど」
私の髪を手際よく結いながら
ママがため息まじりに言う。
「今日は特別なの。
あ、ふわふわにしてね」
「はいはい」
髪を結い上げてもらっているうちに
お気に入りのボディーミストをふる 。
全身を大好きな甘い香が包む。
「京ちゃんとこ行くなら
お中元持っていってちょうだい」
「はぁーい」
そうして玄関で
大きめの紙袋を受け取り
真新しいパンプスを履いた。
そして鏡で全身を最終チェック。