炭坑の子供たち(1)
炭住街には、無料で入れる共同浴場があり

直径が7,8メートル程の丸い湯船

そのふちで、石鹸をつけて体をこすると

そのまま湯船に飛び込んで、石鹸を洗い流すのである。

当時は、シャンプーなんて気の効いた物なんてないから

石鹸をゴシゴシと頭にぬって、両手で強くかき回してから

そのまま湯船に潜って、やっぱり洗い流してしまうのだ。

泥んこ遊びをして、シャツを汚してしまった子は

そのまま帰ると、母親に叱られるので

シャツに石鹸をぬりたくって、湯船の中で暴れ回り

仕上げは、湯船のふちで洗濯である。
< 2 / 98 >

この作品をシェア

pagetop