炭坑の子供たち(1)
 タオルをクルクルと丸め、おたまじゃくしにして、湯船に浮かべたり

ギュッと絞って、バナナをこしらえたり

濡れタオルをボールみたいに丸めて、ボーッとしてる奴の頭に投げつけたり

ある時は、ねじり鉢巻やほっかむりにもなったりと

タオルには、様々な使い道があった。

又、手で水鉄砲をこしらえて、あっちを向いた奴の頭に湯をかけ

びっくりしてこちらを振り向くと、知らん顔をしてやる。

すると、横の奴に向かって

「お前、すんなっちゃ」

「何をや?」

横の奴は、訳が分からない。

そこで、更に水かけを続けてやると

「きさんっ、いい加減にせんと、くらしあげるぞ」

「何の事や」

と、隣りの奴と喧嘩を始めてしまう。



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