炭坑の子供たち（１）

　この風呂場は、憩いの場であると共に、戦いの場でもあった。

大体、夕方の早い時間帯には、子供ばかりが来て暴れ回っていたが

やがて、子供達の敵である、暇を持て余したじいさん達が、次々にやって来る。

決まってじいさん達は、軽石とへちまの入った洗面器を手に

タオルでねじり鉢巻きか、ほっかむりをして

着物のすそを帯にはさんだ尻からげでやって来る。