炭坑の子供たち(1)
 父子2人で暮らす、ある社宅などは

狭い部屋の中に、入れ墨を入れた若いのが、大勢たむろし

真面目で大人しい炭鉱夫のおやじは、部屋の隅で小さくなっていた。

やがてそこが、ヤクザの組事務所みたいになってしまい

いつ覗いても、上半身裸のまま

片膝を立てて、花札をしたり

座布団の上でサイコロを転がす、シゴイチ、別名、チンチロリンと言われる博打をしていた。

そんな連中に、子供達が親しみを込めて

「やーさん、やーさん」

と、呼んでいると

「俺達はやーさんと違うぞ、やー公と言うんや。やーさん言うたら、祭りの時にやって来る、やしさん、露天商の事たい。・・・・やー公とやーさんを一緒にしたら、やーさんに失礼やぞ」

と、丁寧に教えてくれた。

< 54 / 98 >

この作品をシェア

pagetop