炭坑の子供たち(1)
 子供が面倒を見るので

いつしか愛着がわき、友情さえ芽生える。

ある少年のチャボなんかは、特になついて

いつも少年の後を追い、共同浴場の中にまで付いて来ていた。

しかし、いくらなついていても

祝い事があったり、遠方からの来客があると

ご馳走の材料として、つぶされるのが常であった。

なついていたチャボが、シメられると決まった日の夜明け

少年とチャボは、家出をしてしまった。

直ぐに、隣町で保護されたが

みんなは、「あかつきの家出少年」と言って、語り草にしていた。

どの町内にも、ニワトリをさばく名人がいて

大抵じいさん多く、よく近所の家に頼まれて、シメてやっていた。

片手で、クルリと器用にねじり鉢巻きをしてから

バックと呼ばれる共同の洗い場で、作業を始めると

子供達が群がって、興味深そうに見守っていた。



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