炭坑の子供たち(1)
そんなじいさん達の逆襲でもあるまいが

湯船につかって、余りの心地よさに、水戸の黄門さんがゆるむのか

時折り、ポカンと大きなやつが浮かんだりする。

「誰や、誰や?」

それをあっちにやり、こっちにやりして

子供達のいいオモチャにされてしまう。

又、さっきまで子供達と

「熱い」「ぬるい」と、元気に言い合っていたじいさんが

突然、ドボンッと水しぶきを上げて、湯船の中にぶっ倒れる。

居合わせた若いモン4,5人が

意識のないじいさんを、戸板に乗せて

ふんどし一丁でかけ出して行く。
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