Reminiscence
声が聞こえる。
成熟しきってない中性的な自分の声だ。
それはどこか遠くに置き去りにしてきた思い出。
自分の道を定めたその事件さえ、半分ほどしか覚えていない。
守ろうとした人がいた。
私はその人を守れただろうか。
それでも、守ろうと決意した幼い自分と、フェンの姿がなぜか重なって見え、ひどく不安になった。
その不安はいばらのように絡み付き、なにかを断ち切らないとそのしがらみはきっと消えない。
< 205 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop