Reminiscence
見慣れた……あまりにも見慣れた剣筋だった。
くせは違う、それでも基本は同じ……フェンの師匠と同じ剣筋だった。
でも師匠に比べればまだ拙い。
フェンは棍で剣を思いっきり弾くと少年の間合いよりも内側に一気に迫り、喉元に小刀を突き付けた。
しばらく緊張感の漂う静寂のなか、少年が降参を示して剣を落とした。
「まさか俺より強いやつがまだ王城にいたなんてな。今まで俺の剣筋を見極めることができた奴は数えるほどしかいないのに」
明らかに年下であるフェンに一本取られたというのに、少年は素直にフェンの技量に関心していた。
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