担任は優しい旦那様
手伝うと
言った理香に
私はテレビでも
見ててと言った。

普段なら
手伝ってもらうけど
今日の主役は
理香なのだから
当人に手伝わせられない。

渋々ソファーに
座った理香は
テレビを点けて
何時も見てる番組にした。

『ただいま』

マー君が帰って来たのは
午後八時半過ぎだ。

思いの外
早く帰って
来てくれてよかった。

『お帰り』

テレビを見てた
理香も立ち上がり、
二人で玄関へ向かう。

『はい、
ケーキ買って来たぞ

誕生日おめでとう』

それを理香に渡した。

「ありがとう」

流石マー君、
家族の誕生日を
忘れてなかったんだね。

部屋着に
着替えたマー君が
リビングに来たので
料理をテーブルに並べた。

「うわぁ~
美味しそう」

結婚記念日とは
また違った
料理を作った。

主役の理香が
喜んだならよかった。

夕飯も終り、
マー君が買って来た
ケーキを冷蔵庫から
取出して
切り分けた。

因みに、
チョコレートケーキだった。

お腹もいっぱいになり
食休みした後、
二人で理香に
プレゼントを渡した。

『理香、
誕生日おめでとう』

両親が離婚して、
会えなくなって
心に傷が出来た理香。

これから先は
私とマー君で
寂しい思いを
させない様にしようと
嬉しそうにプレゼントを
見つめる理香を見て
心に誓った。
< 78 / 100 >

この作品をシェア

pagetop